ねぇ、くるみ

猫と犬が好きです

そして今に至る

恋人同士になってからも、私はひどく緊張していた。というか、常に爆発しそうだった。恋する乙女とはそういうものだ。年甲斐もなくはしゃいでいた。

初めて彼の家に行った時、電子ピアノを弾いた。その時つけたヘッドホンの黒いカケラが首元についてしまっていたらしい。私は、彼がタオルでとってくれるのをじっと待ちながら、死ぬかと思った。きっと、彼は私の赤面を一番多く見た人だと思う(笑)。

その日は何事もなく帰った。車の中で、残念なような、ホッとしたような気持ちになっていた。寂しくなって、手を貸して下さいって言った。すると、パッと手を繋いでくれて嬉しかった。別れ際、彼にキスをされた。びっくりして、死ぬかと思った(笑)。心臓が飛び出ていたと思う(笑)。

次のデートで高原を歩いた。地図を見ながら、彼がおもむろに手を出した。私は最初分からなかったけど、あっ!と思ってすぐにクラッチバッグを逆の手に持ち替えた。彼と手を繋ぐことは、私にとって特別なのだ。

事前に、私は頭を撫でて欲しいとお願いしていた。仕事が大変で、凹んでいたのだ。彼の家に着くと、彼はすぐに撫でてくれた。でも、我慢できなくて、「もっとして下さい…」というと、抱きしめられた。そのあとは、まぁ……すごかった。本当に爆発するかと思った。リア充爆発しろ、というのは、あながち間違いではないかもしれない。それくらいドキドキしていた。


今はもう、スキンシップにも慣れてしまって、最初ほどドキドキすることはない。けど、安心する。彼の近くにいたり、彼と同じ空間にいたり、彼と身体をくっつけていたりすると、落ち着く。彼は私の“安全基地”なのだ。私も、彼の安全基地になりたい。彼はあまり弱音を吐かないからね。

彼に恋をした瞬間のこと、その過程、未だに鮮明に思い出せる。その時の出来事というよりも、その時の私の感情。どれだけ嬉しかったか、どれだけ恥ずかしかったか、どれだけ緊張したか、どれだけもっと一緒にいたいと思ったか。

私はきっと、幸運なのだと思う。好きな人と付き合えて、結婚できる人はどれくらいいるのだろう?きっと、すごい確率だ。なのに、慣れると忘れてしまう。不安定になると、今までしてもらったこと、全部忘れてしまうのだ。だから、書いた。すぐに思い出して後悔するから。あれもしてもらった、これもしてもらった…。多分、私は基本記憶力が悪いが(今は特に)、感情が動いた時のことはその分鮮明に覚えているのだと思う。好きな感情は3ヶ月くらいしか持たないという学者もいるが、私は特例なんだろう。多分、市川拓司と同じ。私は彼に、繰り返し恋をする。だから、大事にしていきたい。彼と、彼の子どもと、楽しく穏やかに暮らしていくのだ。


恋人、愛してるよ。


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