ねぇ、くるみ

猫と犬が好きです

センチメンタルジャーニー

この間、久しぶりに夫の家へ行った。夫の家は小さいので、最近はもっぱら私の家に集まっていた。でも、私が夫の家の近くの花火大会に浴衣を着ていきたい!と申し出たので、急遽泊まることになったのだ。
何ヶ月ぶりだったろうか。久々の夫の家は少し緊張した。妻になってから来るのは初めてだったのだ。前は、トイレへ行くのさえ躊躇われたものだ。夫は休みのほとんどを私の家で過ごしていたので、家事をやる暇がほとんどなかったようだ。代わりに、できるところだけ自分がやって帰ることにした。汗だくになったが、自分がいるところが綺麗になるのは気持ちのいいことだ。夫にも、申し訳ないことをした。夫は、私が申し出を断られるとはぶてる(注:「拗ねる」の意)のを知っているから、一人で休みたいと言えなかったのかもしれない。最近、実家に住むようになってから、今度の休みは一人で過ごしたら?と言えるようになってきた。彼はずっと、大変だったろうな、と思った。
私と夫は交換日記をしていたのだが、最近はずっと夫で止まっていた。それを久しぶりに見た。自分の文書が、もうずっと前に書かれたようなものに思えた。実際は、今年に入ってから始めたのに、もう何年も前に書いたように思う。正直、ここ最近記憶の整理の苦手さに拍車がかかっているような気がするのだ。昔から、人が覚えているのに自分は覚えていない、ということはあったが、最近の記憶まで曖昧になることはなかった。まぁ、私にとって働いていた頃の記憶は、あまり思い出したくないものだろうから、脳みそがわざとモザイクをかけているのかもしれない。思い出さないと困るものは困るが、困らないものはそのままでいいのかもしれない。
でも、夫との思い出が消えていくのは怖い。ここ行ったっけ?それいつの話?っていう会話を、20代でするとは思わなかった。若年性認知症というものがある。それにはなりたくないなぁ、と思う。
半年間も夫に会わなかったら、顔を忘れるかもしれない。写真をたくさん撮って、時々見返さないと。声を忘れないように、時々電話しないと。感触を忘れないように、時々会いに行かないと。
でも、一人で飛行機に乗れるかな。都会を一人で歩けるだろうか。ホテルに一人で泊まれるだろうか。
今日はなんだかセンチメンタルな気分だ。そういう気持ちに浸りたい日なのかもしれない。